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ボヘミアン婆

GWが終わったら夏休みの計画を・・・
ではないが、フランスは今だらだらと長いポンと呼ばれるなんとなく一週間の半分がお休み週に入っている。
その前に我が家に訪れたのが80代のおばあちゃん。家人の知り合いのお母様ということなのだが、スエーデン系仏人女性。侮るなかれ。おとしではあるが、しゃんしゃんしていて、海辺の街から自分で運転してきた。趣味はヨガとボランティアで仏語を教えること。これだけだと、良くいる暇なインテリ婆だが、ついでに英語も喋るし、本の虫。ここまでだけだとモダン婆。村上春樹は読破してるし、小川洋子も暗いながら好きらしい。日本文学だけではなく、彼女の現代美術のミーハー(これって死語?)具合にはついてけないぐらいの尻軽スーパー婆。
そして、彼女の目的はひとつ。
私たち(私&♂♂の子供)と一緒に日本行きのルフトハンザに乗り、ついでに京都観光するというもの。
とにかく、1ヶ月前の復活祭のお休みに「久しぶりにお昼でも食べに来たら」という電話一本で誘われて海の見える彼女のアパートへ。私たちが日本に夏に帰る話をしたら「あたしをつれてって」ということになり、「別にええですよ」「ほな」で、次の日はもうチケット取ってるし、話を聞けばもうJRRAILパスも買ってるし、準備万端。ついでにエアポートシャトルのヤサカタクシーもついでに一緒。
さすが現役の頃は心理系の人でばりばりやってたらしいけど。
ここまでスゴいおばーちゃんだと嫁も大変だろうなと思いつつ、案の定嫁との関係はそこまで良くはなかった。
もちろん彼女の体力、気力、知的好奇心の旺盛さも素晴らしいのだが、何よりも特記したいのは自分のこの好奇心を満足できるだけの財産を自分でちゃんと管理していること。そのために、大きな屋敷を売り、居心地の良い自分サイズのアパートに移り、気になる南仏中のヴェルニサージにはアヴィニオンからニースまで自ら運転して出かけるという。(お住まいはシオタ)。
根っからのボヘミアン婆、若いときはパリにいたらしいから、かなり鳴らしてたと思う。なくなった旦那も米国人というおまけ付きで、ご定年までの勤務先は某米国最大のスパイ組織だったとか。
飛行機の12時間はいつも拷問なのだが、今回はちょっと楽しみ。