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闘牛と「我々の日常の糧」と

この3日間の週末は復活祭のお休み。
デンマークでは一週間会社も休みらしいが、ここはライシテの国だから、せこく1日しか休みがない。(ほんとか?)
母子家庭の週末はアルルへ復活祭の闘牛へ。アルルのお祭りは年に二回。(結構多いですけど)復活祭と9月の収穫祭。9月の方は「お米祭り」と言われ、近所のカマールグ米のパエリアフライパンが街中のレストランで見ることができる。
日曜日の早朝はあいにくの雨だったのですが、アルルの観光局に電話をかけるも、時間外で電話は通じず、もちろんホームページに雨天決行ですのアナウンスが出るわけでもない。田舎の観光局のホームページ担当者が早朝から動いてるとも思えず。それでも、でなきゃ、11時の回に間に合わない!
9時15分出発、約1時間でアルル市内へ到着。運良く駐車スペースもARENE(ローマ劇場)の近くの街の城壁外で見つけ、お菓子?飲み物バッグとともに、防寒具着こんでいざ旧市街へ。
街の中はもうすでにもりあがっており、動物の糞のにおいがぷーんと漂ってる。
金曜日~月曜日までの4日間、8回闘牛がある。子供は4才までだと無料だが、もうすでにこの子たちは子供料金。前回はただだったのに。11時の回の当日券を購入し、いざ闘牛場へ。子連れということで、いくら「良い席」がほしくても、子連れの場合あてがわれる席は、一番の末席。それでも15ユーロ50サンチームなり。2000円弱。一回映画みるようなもの?それが、ローマ時代の闘牛場のいちばん上の上に上がらされるから、結構怖い。高所恐怖症には良い感じの肝試し。
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やっと雨がやんだ11時。高校野球の甲子園的(行ったことないんだけどないけど)の観客席を陣取ったブラスバンドから楽しく聞こえてきて、牛が出てくる。。さすが天気が悪いからか、人の入りが悪い。盛り上がりに欠けるな。しかも寒いし。
牛の登場とともに、マタドール見習い?みたいなお兄さんが4人出てきて、蛍光ピンクのケープで牛をからかい、血の気を充満させ、つぎに、馬に乗ったピカドールが恭しく出てきてせき髄に致命傷を与える。それからメインのマタドールの登場。つまりメインのマタドールが出てきてることはもうすでに牛は絶命を意識していると思う。
ここからが闘牛のみどころ。いままでは、とにかくフォーマルな儀礼的なものに対し、ここからは、牛と人との見つめ合う時間がかなり長くなる。
この間の取り方といい、見つめ合いといい、時折マタドールが観客への高揚を促すしぐさなど。これ、アントニオ猪木のプロレス(これしか見たことない)に共通する何かがあるんだけど。これ。すごいわ。原始的な人間の残虐さを刺激されるというか。なんというか。眼力というか?目ぢからですか。
闘牛体験3回目。
IMG_0472_convert_20100406075811.jpg(足が見えてます)
グリンピースだの動物愛護団体がピケを張りにくるには、たいしたインパクトがないのかな。アルルは。
それにしても、さっきラジオで、どこかの闘牛観光局のホームページが愛護団体によってハイジャックされたそう。ほんとに、鯨だのイルカだのいってる前に闘牛だよ闘牛。やめさせて〜と心の中で叫んだり。
IMG_0476_convert_20100406075856.jpg(正直今回は6試合のうち2試合がブーイングという不名誉な闘牛に不満顔のマタドール)
それにしても、約60匹の牛がこのお祭りで絶命したことになる。その牛の「生年月」と出身地(だいたいはスペイン)が闘牛場には毎回出てくるのだが、一頭、うちの次男と同じ2005年2月生まれの牛がおり、かなり感慨深かった。5年間。動物でも人間でも生まれたときから知ってたら、愛着わくよ。次男をぎゅーと抱きしめてしまったのも無理はないが、もっとも衝撃的だったのは、帰り。今回の6頭試合は正直、ブーイングが2件もあり、ファンとしては不満。が故に、6頭目が絶命する前に私たちは席を立ったのだが、あの広い円形劇場で迷ってしまいスタッフ回廊へ。やばいなぁと思いながら、いきなり、包丁男に遭遇。しかも、3本ももってニコッと笑われ、「出口あっちだよ」と合図してるし。
なんだと思えばそこ(円形劇場の楽屋)は、絶命牛を裁いてるではないの。

げ。
すぐ裁かないと血が固まるからだろうけど。
肉屋のトラックが駐まってるし。ビジネスなんだぁ。とふと冷静になってしまった。が。
すごいな。祇園祭はこんなんじゃないぞ。
と比較するものが違うんだけど。
闘牛が文化なら、捕鯨やクロマグロ、フカヒレも文化なのかもしれない。動物とともに人間が共存しているという証。私はマタドールと牛の見つめ合いに残虐さは感じなかった。むしろ、愛だったんだけどな。マタドールはたぶん解剖学とかの勉強とかもしていて、ちゃんと牛の急所を数回ねらうだけなんだし。
とにかく、血なまぐさい週末。
今日から一人だけでもベジタリアンになります。と誓ったんだけど。またこれもずれてるよな。
食が危ないとさけばれてる昨今、実はこうやって公開処刑をしているほうが健全ではないのかとも思える動画を発見。さっそくアマゾンでこのジャーナリストの本を注文してみましたが。
食、動物愛護、鯨、イルカ、闘牛、考えること実行することが多すぎて。頭が混乱。冷蔵庫内見直しひとり条例発令。

Notre Pain Quotidian (日常の食料の糧)という題のドキュメンタリー。心臓の弱い人は注意。


Notre Pain Quotidien “Extrait” par VEGANJill