コンテンツへスキップ

コンセルバトワール

我が街のコンセルバトワールとは要するにフランスの各地方都市にある国立音楽学校の事なんだけど、息子の先生と約束があり始めて中に侵入。だって今まで事務所手続ばっかりだったんだもん。

昔の貴族の館らしくサロンもありやたら屋根が高い。羨ましい環境。ここに入ってふと京都の武徳殿の事を思い出した。今でこそ武道の館になっているが私が小学生の頃、京都市芸の音楽科が岡崎にありしばらくの間ソルフェージュを習いにいってた。

実は嫌いだったわけでもなく、当時塾だのなんだので過労で体調を崩し結局、続かなかったけど、当時分からないながらも、芸術とは特権的な建物でするのかもしれないと朧げに感じてたものだ。

しかし時代は変わった。再来年からこの旧市街ど真ん中の貴族の館はもうコンセルバトワールの母体であるエックス市の家賃では払えなくなり、保険会社が買い取ったそうだ。年々音楽を習う生徒は減り続け、先生も減り、習える楽器も減ってきている。再来年からはコンセルバトワールは市の再開発地区に新設され「難しい地区」とされる低所得者エリアへ移動する。

もちろん教授陣の反対はあったらしいが、再来年からはこの美しいサロンで学生が音楽を習う事はないのだろう。時代はかわり現代的な隅研吾の建物でまた同じレッスンが始まる。そのときにはもしかしたらフランスの「けいおん」の舞台になるのかも知れない。

このクラシック至上主義にちょっと一撃でも与えるのも悪くないかもね。