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ヴィクトール・ヴァサレリー Op-Artiste Vasarely

セザンヌの街で売っているエクサンプロバンスというのは古くさくて、ヨーロッパのじいさまばあさま好みの田舎のブルジョワしかいないのだろうと思われがちですが、この街の郊外にはかなりモダンな美術館がそびえております。これが今日ご紹介するフォンダシオン・ヴァサレリー

本の車で10分ほどの郊外ですが、ほとんど見に行く観光客の方もおらずひっそりと市民税務署や保育所申込所の斜め向かいあります。とにかくこのあたりは、旧市街のあの古き良きヨーロッパな石造りなイメージはなく、高速道路を挟んだ別世界。ついこないだまで近くにジプシーテント村もありましたが最近見かけません・・この美術館があるJas de Bouffanという地域はいわゆる再開発地域のHLMで有名でして(その向こうにはまた高級住宅街という)とにかく足場が悪い。でも高速道路からはよく見えるという。そのようなところにあります。

最初はなんだろうなんだろう?幾何模様がなぜ美しいのかわからなくて、ただずっとずっと見続けいると味が出てくるというか。。。折り紙みたいで面白いけどこの作者がだれかというと、この方がVictor Vasarely (ヴィクトール・ヴァサレリー)そう、あのポンピドーセンターのポンピドー自画像パネルの方です

 

1906年ハンガリー・ブタペスト生まれ。医師をめざしていたのですが絵に転向。当時ハンガリーのバウハウスの影響を受け、1930年代にグラフィックデザイナーとしてパリの広告代理店Havasで働き出します。その頃発表したZebraが後にオプアートの代表作とも言われるようになります。後20年は、幾何学アート、あとマテリアルアートに傾倒するのですが、あくまでもミニマムなフィギュアと色を使う手法を大いに用います。ちなみに息子さんもグラフィックデザイナーで、彼が1972年に今も使われているルノーのロゴの生みの親。wiki

 

という、グラフィックデザイナーとしてのキャリアも積み、しかも、オプアートのアーティストでもあるなんとも不思議なおじさんの美術館。

オプ・アート(op art)とは、錯視の知覚心理学的なメカニズムにもとづいて、特殊な視覚的な効果を与えるよう計算された絵画作品のジャンルのこと。広い意味での「だまし絵」(トロンプ・ルイユ)の一種であるが、オプ・アートは原則として抽象作品である。by wiki

この日は、夜の一般公開日でなんどもこの学芸員から同じ説明を聞いてるのですが、またもう一度同じ説明を聞きました。「ほらほらこの作品をずーっとみつめていると見えない線が見えてくるでしょ」とか「よく見るとひとつひとつの四角がうごいてるようでしょ」などなど。。まるでサイエンスフィクションの宇宙船の中に居るみたいなこの美術館。アートなのかグラフィックデザインなのか?

 

そんなことどっちでも良いんですけど、とりあえず特筆すべきことはこれらの作品をかれはMacやイラストレーターを使わずに作り上げたこと。もちろん彼ひとりの制作ではなく材質からの加工は職人さん達が作ったのでしょうけど。もし、彼がMac使いだったらそんなものができるのだろう。。と。。思わずにはいられません

ちょっとこの美術館、雨漏りも酷く作品自体がみえない部屋があったりもしたのですが。なんとも昔の人が夢見たフューチャーリズムなレトロ感がぬぐえません。Lonly Planetではあまりおすすめとは書いてありませんが、是非ともです。お土産ショップもこの数ヶ月でやたら充実してついついゼブラの絵はがき買ってしまいました。次はポスターほしい。

 

Fondation Vasarely

1, Avenue Marcel Pagnol
Jas de Bouffan
13090 Aix-en-Provence
Téléphone :+33 (0) 442 200 109
Fax : +33 (0) 442 591 465
開館時間:月曜閉館 10h00 – 13h00 と 14h00 -18h00
入場料金: 大人9€ 小人6€
バスはロトンドから2番で。


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