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京都アソフィアサロンでお話しさせていただきました

先日猛暑の中、京都アソフィアサロン、会場である大徳寺大慈院でお話させていただきました。

サロンの主催者である浅野さんからのご提案で、午後の知的な刺激な会ということで、本当に困っていたのですが、なんとか乗り越えられました。

与えられたお題がフランスの日常生活を市民視線ででしたので、私が普段パリで生活して日本と大きく違う点3つについておおざっぱにまとめてお話いたしました。

フランスの多様性について

パリは多民族の街と言われますが、決して核融合のように、各民族が融合し溶け合い仲良くやってるわけではなく、一個一個のコミュニティが独立し、その各個のコミュニティの集まりを遠目からみると融合してるようにみえるということをお話しました。つまり、昔流行ったベネトンのCM的な多様性の共存ではないということです。それは直感的に私が感じるだけで、社会学的には違う意見があるかもしれませんが、少なくとも私はそのように感じています。血や出生や出身国によるコミュニティの強さは単一外観である日本ではあまり感じられないですが、フランスにはそれが存在します。ただその個人は個人としてコミュニティを形成しているので、個人が他のコミュニティと融合することはあまり少ないような気がします。

シェアリングエコノミーについて

一番大きな話題となりましたが官つまり行政主導のVelibに代表されるシェアリングエコノミーが非常に高度化され、発展していることをお話しました。車、相乗り、自家用車、レジャー用ボート、お洋服、日曜大工仕事、まだまだシェアリングエコノミーという概念は「人と使い合うの?」的な否定的な意見が多いようですが、日本でもメルカリなどのアプリが大爆発で利用されてるようにITの一般化とシャリングは切っても切り離せない関係にあるのではないかと思います。もちろんフランスの通信料の安さはFree.frの創始者であるXavierNielの(日本の孫さんみたい)存在が大きいのですが、それだけではなく、すべてのインフラ(電気料金、TGV、乗り物、納税システム)などの強制的なIT化がかなり早いスピードで進んできたということは15年の滞在にして感じることです。例えばUberに関してはもうすでにTaxi業界との和解をしており、いままで白タク扱いされていた準タクシーであるVTC(旅行用車両)との衝突も過去の話となり、法律も見事に厳格化され逆にUberとタクシーの料金があまり変わらなくもなってきたというほとんど日本の2週先を走っている気も致します。

官の存在と介入、トップダウンの潔さ

これには賛否両論あるのですがやはり、このようなシェアリングエコノミーを最初のインフラとして整えるのは行政の力であるということです。京都もパリも同じく盆地の自転車で回れる観光都市ですが、貸自転車屋さんが京都は民間で、一日700円、パリであれば1,5€(200円弱)この差は結構大きいのではないかと思えるのです。Velibを知ってる人はVelibのステーションの統率された美しさもご存知でしょう。またAutolib(貸し電気自動車)のパーキング確保のための道路整備なども大掛かりです。自家用車にはスペースが減り迷惑ですがシェアリングの重要性を市民に訴えることが出来ます。またそれに続く、個人自動車シャアリングのOuiCarや、Drivyは、大手の保険会社がプラットフォームを、そして相乗り予約サイトであるBlablacarはオランド時代にCo2減らしを促進するということで消費税免税のシステムです(消費者もプラットフォーム会社もTVA免税)

フランス万歳っぽい内容になってしまいましたが、もちろんフランスだってダサいところやイケてないところもいっぱいありますし本当に耐えられないことも多々あります。ただシェアリングエコノミーに関してだけではこの国はかなり先を行ってる気がします。

これからの時代、官民とかそういう分け方をするのではなくイノベーティブであればどんどん採用して市民の生活を豊かにすればいいし、と思っています。いまや官民が対立する構図である時代でもないこと。そしてシェアリング文化が高度化されるには多分ある程度の市民が同じコンセンサスを持つという社会主義的な視線も必要ではないかと思っています。つまり、どこかソルフホースソホーズ(昔習ったよなぁ。。この言葉)的などういうのかな。。

でもこのようなエコでもあり、全体のコンセンサスがかなり似通ってる日本においてなぜシェアリングへの大きな抵抗があるのかはなんだかわからないのです。
もしかしたら、国民IT強制化をこの数年してこなかったことや、もしかしたら物質的にシェアなんかしなくてもい豊かさがそこにあったのからかなという分析も会場の意見を聞いて感じました。

特権階級でもない普通の庶民が、シンプルに豊かに生きるのための模索はこれからも続きますし、戸惑うことも迷うこともありますが2017年の暑い夏の日曜の午後にふとこういう場所で、「ああ、そういえば小仲さんシェアリングとかゆうてはったなぁ」と思い出していただければ本当にうれしいです。

最後にもういちど、来てくださったすべての皆様、会場提供設営及びすべての諸準備プラニングをしてくださった戸田さん、そして今回このような場に私を引きずり出してくれたアソフィア主催浅野さんに感謝します。