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米仏女性映画対決(Ocean’s 8とBécassine)

女性が主人公の映画を立て続けに2本ロードショーで見たんですけど。今週のアメリカとフランスの対決?というか。

アメリカはドハリウッドなNYのMETガラが舞台、フランスは20世紀はじめのブルターニュのお屋敷の女中の話。(伝統的BDというかマンガの実写版,日本ではのらくろの時代?)

Ocean’s 8

ベカシン

ふたつとも同じ映画館で横のスクリーンでやってるのですが。。

「Ocean’s 8」 は見ての通りのスタイリッシュな現代女泥棒軍団の話。女なりにいろんな理不尽と戦いながらも生きている8人の女性のファンタジー。ケイト・ブランシェットのかっこよさといい、『スピード』から見続けてるサンドラ・ブロックのアメリカン・ガールの成長ぶりといい、レズで有名な女優、アジア系、カリブ系女優とウーマンズパワー満開。これこそ女性が見たかったエンタメ!感を全部凝縮。男性を打ち負かして勝った!と喜んでいた80年代の『ワーキングガール』からの価値観の脱皮。社会、権威、なんかを笑い飛ばす爽快感。日本の映画「黒い10人の女」のように男に復讐するような恨みもつらみも実にはあまり重要視されてなくて、自己実現に燃える女性が今の現代っぽい。ハッピーエンドな「王子様と結婚して幸せに」の構図がまったくなし。まさに時代が求めてたものをちゃんと見せてくれるハリウッドの感覚には脱帽しかないです。

で、「ベカシン」のほう。。もう予告編見てこのギャグの寒さに怯えてしまうんだけど。

ま、明らかに、やばい。ただこの映画で見るべきところはすべてのデコやお洋服の材質の良さ。ベカシン(女中役)のお洋服の材質感、子供役のルーシャルロットが眠るリネンの質の良さ、あと伯爵夫人のおうちの装飾の趣味のグロテクスさ(フランス的な伝統的な。。)かなとも思ったり。セリフは現代劇ではなく、クラシックフランス語なので正直ふつうの現代劇より私は理解しやすかったです。しかしいくら制作がコメディー・フランセーズの人とはいえ今この時代にネジのゆるい女中のバカ話を映画化するのは逆に勇気がいったとおもいますが。。ポリティカリー・コレクトな面も考えて、「女性がおバカ」という主人公映画では観客は振り向かないでしょう。これは時代にあってないけどそれがフランスと言われたらそうかも知れないけど。。子供向けのギャグでも化石すぎて。。

といわけで米仏今週のロードショーは圧倒的に米の勝ち。

PS

このビデオはOceans8ハッキングシーンの解説。ミッション・インポッシブルじゃなくても普通のハッカー技術らしい。