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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のつぎはぎっぷり

ひとことでいうと。。。。。。。。ハリウッド蒲田行進曲な20世紀少年ね。。なんか全体的に既視感が。。 (このふたつを見た人にはわかってくれる)

映画オマージュはだいたい業界の持ち上げにしか見えないんだけど、、そういう映画って多いし、映画フィルのあたしみたいなひとはうるうるするし。

すべてのシーンが自作の全作品のはりあわせなんじゃないの?的な。。だから映画をよく見てる人にはデジャヴュというか「ニヤ」シーンが多いというか。特にあたしみたいなタランティーノとともに中年になってしまった世代にとっては「かっこいい」ツボが似てるのでやっぱりいいです。

女の子が「ディズニーは天才よねぇ」とかしみじみいわせるところとか、、逆に白々しい。。。それ本当だもの。

芸達者なデカプリオと実は隠れ芸達者ブラピの大共演。

とりあえずハリウッドのオマージュ満載で69年頃のバックグラウンドの予習から。普通知らないよねぇ。ポランスキーなんて。。あたしにとってポランスキーっていうとペド兄さんとしか意識がなかった。。奥様殺されてたとは知らなかった。

レオ様が落ちぶれの西部劇俳優で、ブラピがその彼のダブルスタントマンの役。俳優でも顔の出ない後ろ姿や乗馬シーンとかの俳優だから、そんなに稼いでなくて普通にレオ様の運転手をしてたり、まぁ小間使的な位置。

西部劇の終わりテレビ時代の幕開け。

デカプリオの中年の苦悩、生きづらさの見事な表現、ふと思ったんだけど、この人私が若かったときに見たジャック・ニコルソンとかロバート・デ・ニーロ的な位置にいくんだろうなぁ。ひょうひょうと酒も飲まずにベジタリアンに生きる影武者のブラピの方がクールに生きてる対照も面白い。「I Tagna」で見事なホワイトトラッシュなビッチをしてくれたマーゴット・ロビーを綺麗どころだけに出演させるのはもったないけど、時代背景といえば仕方ないわね。

スターウォーズやランボーシリーズ、マーベルシリーズの前のハリウッド。なんにも知らなかったのよあの頃のアメリカって。

ビバリーヒルズ住宅地のの高騰前の雰囲気。当時流行ってたであろう家庭に一台のミキサーを妙に大事にする仕草とかすごく好き。

ただ、殺し方はキル・ビルそのもの。(ネタバレというか、それしか見せ場ないんでしょ?的な)

そして最後のタバコの広告は映画だからやってしまうという悪趣味なジョークなんでしょうか。

ラリったブラピと対峙するヒッピーはまじ気の毒だったけど、映画としての楽しさもいっぱい。だから映画はいい。楽しいから。

正直この映画はメジャーじゃないですから。ま、カルト映画として趣味の人が、「これ面白いよぉ」と言うための映画のような気がする。ただこんな宣伝してしまって別に感動の大作でもないし、世紀のお手本になるような話でもないし。なんでこんなに騒いでるのかわからない。ちっと辛口ですが、お洋服も美術も大好き。でもタランティーノ大好きだから何でもいいの。。