フランスのパティスリーというとお菓子全般なんでもそつなく美味しく作ってくれそうですが、ドーナツだけは本当にダメ。彼らは「油で揚げるお菓子」というのをもしかしたら軽蔑してるのではないかと思うほど、油揚げ菓子に対する情熱も工夫もありません。もしかして、私みたいに残り油捨てることとか、台所が汚れることが嫌で、揚げ物をしないのか、揚げ菓子や卵カスタードはもしかしてポルトガルとかイタリア?と思うことが多いのです。
さて、フランスのドーナツ。パン屋も商売っ気を出して見るのですが、あれはたぶん、買ってきたドーナツを、物珍しいと思えるお客さんや、英語圏や何も知らないアジア人向き相手に、1,8ユーロだとか恥ずかし気もない価格で売ってたりします。一つがですよ。ミスドの100円サービスデーを見せてやりたいぐらいですよ。ほんとに・・・さて。
まず伝統的パン屋+お菓子屋で売っているドーナツの特徴:
★やたら分厚い。5cnぐらいありそう、つまり中が乾いている。
★リング状はみかけない。まん丸の中に、「フランボワーズ」か「チョコレート」の二つしか選択がない
★シロウトでもわかるほど揚げてから時間がたっている(スーパーで売ってる4つ入りとかと変わらない)
★できたてのパンオーショコラや美味しそうなクロワッサンよりも高い
ということです。『ミスド』が中華を出す前から、アメリカンな雰囲気で売ってた頃から、ミスドで青春を過ごした私。ドーナツ&ブラックコーヒーというまるでツインピークスのFBI捜査官のあの「だーむぐっど」にはほど遠く、悲しい思いをしているのですが、別の美味しいものがあるのでドーナツ好きはフランスではもうあげた拳をおろすしかないのでしょうか。
ということで、米国最新事情はあまり分からないのですが、私が思うに、ドーナツ、カップケーキ、マフィン、ベーグル、という仏一般人にとっての珍品種に関してはそんなにえばるほどのモンじゃないと思っております。もちろん若い女性はこのあたりのカタカナデザート(カタカナじゃない、英語読みするデザート)が大好き。マフィンはもうそれほどじゃないのですが、カップケーキ&手作りキャラ弁の紹介とかはなぜかこの国の女性が群がっている様子です。
どうせなら、ヒロタのシュークリームを流行らせろとおもうのですが、シュークリームといえばそうそうフランス語。でもヒロタのシュークリームっぽいものはほとんどうってなくて、シュケットという具のない皮だけをパン屋さんで味わうことができますが、具なしですからね。。。。もちろんエクレアはあるのですが、あのとろけるクリームではなくどっしり。あんこみたいなクリーム。そうとうガッツのある日でないと最近は無理です。私。
もちろん、パリの専門店は別ですが、フランスの伝統的パン屋とは「バゲット」さえ出してれば生活できるのでそこまで研究熱心ではないのではなさすぎて、それなのに、パン屋のおばさんはどこへ行っても偉そうだし(バイトはなぜかみんな愛想良い)菓子パンの種類は全然変わらないし、いったい。。それでも生きていけるこの国のパン屋さんは日本の昔の米屋さんぐらいの勢いと思えばいいのでしょうか?まだまだパン屋とタバコ屋は組合強そうです。
そいえば、ほとんどアラブ人の主人もいないですしね。
ということで今回はイケテないフランスのドーナツのお話しでしたが、忘れないでください。
フレンチクルーラーは日本の宝です。
世界遺産登録しても良いぐらいです。そもそも普通のフランスのパン屋さんの菓子パンの研究熱のなさになにかつけこんで是非とも「みたらしだんご」でも不意においていただけたらと白昼夢を見ることもあります。みたらしだんごは伝統的有形文化財でも結構です。
息子がほおばる写真のドーナツはいわゆる専門店ドーナツで実は頂きもの。チョコの装飾までついていて(なんかこういうこと言う時点で、ドーナツ鑑識眼のレベル下がってますね)日本を彷彿させるおいしさでございました。