マルセイユは旧港が美しくて活気もありレストランや魚市場、スリも多く賑わっていて素敵なのですが、少し港の外れにあるこのタワーもマルセイユ名物となりつつあるので今日はご紹介。
2006年からの建設当時はなんて無謀なんだろうと思ってましたが、実はCMA CGMという世界二位の地中海海運を背負っている船会社の本社ビル。それ以上にこの建物のこの曲線。なにかある!と思って調べたらやはりザハ・ハディッド。もちろんレバノンつながりよっ!
知らないわよ。ええ。私も知りませんでしたが、実は「変」な建物は結構彼女の事務所が作っていることが判明。例えば、ローマのMAXXI美術館。美術館にしては建物の主張が激しすぎて、美術館の展示そのものよりも、建物探検に時間を費やしてしまいおなかいっぱいになったローマの新しい美術館。
もちろんコンセプトだのなにかもあるのでしょうが、とにかく彼女の建物って眺めれば眺めるほどだまし絵みたいでおもしろい。
どのような方かというと
ザハ・ハディッド(ザハ・ ハディド、ザハ・ハディードとも表記、Zaha Hadid、1950年10月31日 – 、アラビア語表記:زها حديد)イラク・バグダッド出身、イギリス在住の女性建築家。現代建築における脱構築主義を代表する建築家の一人である。
受賞 プリツカー賞(2004年) 高松宮殿下記念世界文化賞(2009年)
彼女の名が知られるようになったのは、1983年に行われたThe Peak Leisure Clubの建築設計競技(コンペ)である。これは香港のビクトリア・ピーク山上に建設が予定されていた高級クラブのためのコンペで、ジョン・アンドリュース、ガブリエル・フォルモサ、磯崎新、アルフレッド・シウ、ロナルド・プーンが審査委員を務めた。磯崎の推薦によりハディッドが一等を獲得したが、爆発した建物の無数の破片が鋭い軌跡を宙に残しながら飛び交うような設計案は、コンペ勝利直後に事業者が倒産したことで実際に建設されることはなかった。コンペ審査の段階において、事業者は自身が倒産するのを既に予知していたため、到底実現不可能な彼女の案を受け入れたという説もある。
1994年にはウェールズの首府カーディフのCardiff Bay Opera Houseの設計コンペに勝利したが、保守的なチャールズ皇太子がメディアを通して伝統主義的建築の復興を訴えるキャンペーンを行なっていた影響もあり、コンペはやり直しになった。二度目の選考でもハディッドが勝利すると資金提供を予定したクジ公社のNational Lotteryは建築計画を中止した。
なるほど。曰く付きの女性建築家。そんなに嫌いなのね。チャールズったら。もしかして彼女がイラク人だからですか?
また日本では、2012年の新国立競技場のコンペでも優勝し、日本でもけったいなものを建てられるそうですが。。
http://matome.naver.jp/odai/2135298180306267601
彼女、別名を建築界のスティーブ・ジョブスというそうです。建築界のノーベル賞も2004年に受賞と言うことで今一番忙しい建築家でしょう。彼女の他の建築物からするとこのビルはかなりおとなしいのですが、実際近づいてみるとガラスの曲線など不思議な気分。あとマルセイユの空の青と目の前の海の青とガラスの33階のたてものは、どこからでも目立つんだけど、古くさいマルセイユの街からちょっと村八分的な位置にあるのもなんとなくザハ様っぽい。
なんとなく、昨今、箱物ばかりボンボンとできあがっているマルセイユの建築巡りでした….
CMA CGM Tower
場所 Marseille, France
統計緯度 43°18′54″N 5°21′54″ECoordinates: 43°18′54″N 5°21′54″E
完成年 Sep 2011
高さ 147 m (482 ft)
参考ブログ
新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について (建築エコノミスト森本さんのブログ)
なかは残念ながら入れませんが、横のビルは県庁ビルなので入れます。(もともとこの海運会社が横のビルにいたのですが、新しく建てたので前の社屋を県庁に貸しているというだけのものです)