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タルト・トロペジアンヌ Tarte tropézienne

タルト・トロペジアンヌ
フランスのお菓子といえば、オペラ、マカロン、シャルロットなど、大げさで作るのも大変そうなものが多いのですが、このトロペジアンヌは実は素朴。だから凝った洋菓子を置いてない(?)パン屋でも売ってることがあります。単純にブリオッシュの真ん中に、ふわふわのカスタードクリームにバターを加えたものをたっぷり挟んだもの。(たまにフランボワーズが入っているのもあり)

ただ面白いことに、こちらの日本人と話していると「トロペジアンヌが好き」という人がとても多いのも事実

もちろん有名パティシエの手の込んだタルトやどっしりとしたチョコレートケーキも美味しいのですが、このふわっと感のあるスポンジケーキが日本のケーキを彷彿させるのではないかと思います。日本にあってフランスにない食感というが「ふわっ」と感。スポンジケーキの食感がほとんどない。あと、恋しくなるのがお餅やあんかけのような粘りっぽい感覚・・・もちもちしているとかそういうのもほとんどなく、「あんかけが気持ち悪い」という仏人に理由を尋ねると「痰みたい」といわれ、こっちがひっくり返った経験があります。体あたたまるのにねっ!

さて、タルト・トロペジアンヌ。このケーキは実は伝統のあるケーキじゃなくて1955年生まれ。ポーランド出身のパン屋さん、アレクサンドル・ミッカさん(Alexandre Micka)が祖国のおばあちゃんのレシピを思い出して作ったのがトロペジアンヌ。彼はたまたま当時サントロペで映画の撮影をしていたブリジット・バルドーらの『素直な悪女』撮影チームのお料理を担当しておりそれで有名になったという、とんだひょうたんからこまなお菓子なのです。今や登録商標の大量生産も。。名付け親も実はBBと言われていますが、まぁほんとうかどうか。

Débarqué en Provence au début des années 1950, Alexandre Micka, pâtissier d’origine polonaise, décida d’ouvrir une boulangerie pâtisserie à Saint-Tropez. Il a ramené de Pologne la recette d’un gâteau brioché à la crème de sa grand-mère qu’il vend dans sa pâtisserie. En 1955, le film de Roger Vadim, Et Dieu… créa la femme est tourné à Saint-Tropez. Alexandre Micka fut chargé de réaliser les repas pour toute l’équipe. Il présente sa tarte. Brigitte Bardot lui suggère de la nommer Tarte de Saint-Tropez. Le pâtissier, lui, opta pour Tarte Tropézienne. Dans la foulée, il déposa la marque et le brevet de fabrication1.

wiki

BB

ポイントはブリオッシュから香るオレンジの花の水のかおり。地中海アラブお菓子にはかならず香るあの香り。最初は私も化粧品臭くていやだったのですが、こちらはなににもふりかけてあるので慣れてしまいました。クリームがあるので足が速いお菓子ですが、とブリオッシュ地なのに冷えてでてくるのもこのタルトの特徴。お金持ちのバカンス地(プライベートビーチだの、クルーザーだの、まるで、の世界です)の名前なのでそうそういけなくてもこうやってトロペジアンヌぐらいは囓って気分を満喫です。あわせるワインはもちろんコートドプロバンスのロゼでもいけそうです。