最近話題のフランスのタクシーやUber事情について近年の動きを少しずつ書いておこうと思います。
というのも実は私、CAPACITE というフランスにおけるタクシー営業の免許を実は持ってまして。(運転手を雇える免許。障害者のための学校送迎のための事業所や、人数の多い会社の営業免許で、実は運転手の免許じゃないので、運転手としては運転できないのです)この業界の動きにはいつも敏感でサイトやフォーラムでもいろいろと覗いています。。
タクシーはあまり言葉が通じないところでは不安なもの。それでも行き先の住所しか知らされてないときなどはやはり公共機関よりも車が便利。パリのタクシーに乗るとだいたいがアラブ人の人懐っこいお兄さんか、アフリカ人のすごいなまりのおじさんか、笑顔のいい東洋人か。。みたいな感じでかなり外国人の運転手さんが迎えてくれます。
さて、この近年は、黒塗りでネクタイすっきりの人たち?でタクシーの提灯もぶらさげずにタクシーみたいまのもを多く見ます。。しかも乗客も手を上げてる様子でもないし。。運転手さんはみな車から降りて荷物の出し入れを手伝ってくれている。。
そう、パリはヨーロッパ主要都市でも珍しくタクシーとUberが共存してるのです。
Uberとは皆さん御存知の通りアプリで開いてる車を探すという非常に合理的なタクシー検索システム。基本アプリで予約アプリで登録したクレジットカードで精算。
色々と複雑な道を歩んできた事情がありますが白タクではありません!!!フランスではUberは合法システム。
でもどうしてこんなタクシーとUberが共存しるのか?でも何がちがうの?という疑問をおもちのかたへ。少しだけこちらの説明をさせてくださいね。
まず知っておかないといけないのは、営業権のあるなしということ。
タクシーの運転手さん場合は営業権(1000万から2000万円)を買って営業(第二種のようなものはない。営業所に属してる人は運転免許証だけ。でパリの場合は80%が個人タクシー)
Uberの運転手さんの場合は実は営業権はなし。試験合格者(VTC)もしくはライセンスを持ってる営業所の社員(LOTI)となります。もともとはツーリズム業界の資格であったGrandRemiseが特に人口の多いパリ地方で以上に発達したと言っていいでしょう。
フランスはUberに関しては日本の2周半先を行ってると言っても過言ではありません。
流れとして、
日本の場合。。
- Uberってのがあるらしい⇒
- 市場が乱れるんじゃないかと懸念⇒
- 識者らしい人が騒ぐ⇒
- 業界団体と国会議員が上陸前に禁止にする
で、うやむやな感じになると思うのですが(また日本のUberタクシー事情に詳しい方コメントいただければ幸いです)
フランスの場合。。
- 2012年Uber黒船フランス上陸⇒(当時は免許を持っていれば誰でもドライバーとして営業可能)
- 既存ののんきなタクシー市場が乱れる⇒
- 2014年タクシーによる激しいデモ、パリの高速でタイヤが焼かれる、(タクシー運転手vs Uber, Uberを許す当局)⇒
- 後戻りできないぐらい人々の生活に浸透したなら法律を変えようじゃないか(当局)⇒
- 法律が変わる。白タクはダメ、Uberはプロだけよ。UberPOPは禁止(議会でスピード決定)⇒
- 郊外の若年層の失業対策として盛り上がる⇒起業ブーム
- 従来のタクシー運転手もUberのアプリを車に入れて兼業営業するようになる⇒
- Uberが運転手からの手数料ピンハネ率を上げる。Taxi業界は 値下げに踏み切る⇒
- 消費者としてはどちらに乗ってもそんなに変わらない⇒
- これじゃ運転手さんみんな喰っていけないし⇒
- グランギヨーム議員、それはいかん。もっと法律厳しくするぞー(タクシー業界のロビー)⇒
- Uberの運転手になるのには以前のように雇われの運転免許証だけではダメ。雇われてもいいけど試験に合格した人だけ⇒
- 運転手さんにとってはちょっと試験難しくない?(合格率がサンドニとで10%という難関に)⇒
- 2018年1月からもしかしたらUber運転手さんが半分に激減する可能性⇒
- もしかしたら業界全体で値上げか?
というこんなところなのです。
ややこしいですよね。。。ややこしいです。笑
2012年からすごい勢いで公共交通の認識を変えてしまったUber.。ご覧の通りフランスは日本の2周半先に言ってるわけです。私が一番面白いなと思った状態は9の状態で(今もそうですが)実は今はタクシーもUberも料金が変わらない。例えば空港送迎に関してはたまにUberの方が高いときもあるし、話によるとLeCABというこちらの国鉄SNCFがやってるタクシーサービス・アプリが一番安いとか。いろいろな噂が飛び変わっています。
もちろん今日の流れは当事者視線の(実は私は福祉タクシーなのですごく関係者なのです)ですが、この流れの中の伏線には都市部の人々の移動手段の変化(貸自転車のスタートアップ花盛り)や雇用問題なども絡んできて、消費者は知らないうちに正直ふりまわされてるな。。感もしないわけでもないんですが、とりあえずダイナミックなのです。
頑固だと思われているフランス人ですが実は新しいものは大好き。ついつい飛びついてそして自分たちの法律に対応していく能力は素晴らしいとしか言いようがありません。
実はこちらの段階ごとにデモが起こり、ひとつずつ進化を遂げていますが、今のパリの渋滞の25%はタクシーやUberなどのアプリタクシーが作っているとも言われ、それでも、住民一人あたりのタクシーの台数はヨーロッパの主要都市と比べるとまったくと言っていいほど足りていません。
来月からの規制許可にどう対応していくのかは、アメリカや日本とも違う進化をする姿を楽しみにしています。