先日、車椅子を利用されるお客様と一緒に、パリの代表的な美術館を巡るツアーを行いました。今回のお客さまはとりあえず、美術館だけでいいです。ともともと仰ってたので、とにかく美術館内のいろいろなエレベーターを復習することから始まり、私自身も楽しみにしておりました。
ご滞在中に訪れたのは、鉄板のルーブル美術館、実は無料で市民にも人気の市立モダン美術館、特別展が熱いポンピドー・センター、そして変態作家ギュスターヴ・モロー美術館など。
お客様の目的はこれ
予習はこれ
パリではほとんどの美術館が車椅子対応をしており、快適に楽しむことができますが、アクセスに工夫が必要なポイントもあります。以下、2024年10月の最新版の各美術館のアクセス情報をご紹介します。
鉄板ルーブル美術館:行列をスキップして楽ちん優雅な入場が可能
車椅子でルーブルに行くのは実はとても簡単です。Richelieu が入りやすいという噂はありますが、そこにはエレベーターがありません!どこの行列に並ばず、正当法ピラミッドの横から優先的に入場できるからです。こちらで入ると、この動画の近未来的なエレベーターで降ります。。。入場後は中二階からの移動となり、ここには案内が充実していますが、常に人が多いため、「アテンション!」(これはフランス語ね)「Wheelchair is passing!」などと声をかけながら通行するのがおすすめです。人の多さに圧倒される場面もありますが、大声で存在を知らせると周囲も協力的です。またあの有名なモナリザも車いす専用のスペースがありますので至近距離で楽しむことができます。ほぼこれは厚かましい?んじゃないかと思うぐらい至近距離なのでどうぞ不安な時はエトワールサービスまで仰ってくださいね。
ポンピドー・センター:シンプルに優先入場
ポンピドー・センターも、だらだらと並んでいる行列の先頭に行き、荷物検査を受けるだけで並ぶ必要がありません。すばらしいいい!図書館の列や常設展の列、映画の列とわかれていますが、車椅子の場合はぜーんぶ無視してもうファーストラインです。
パリ市立モダン美術館:やっぱり壊れてたエレベーター
こちらは実は穴場美術館として有名な市立モダン。空いてるししかもお宝作品も多くてかなりおすすめです。ただこちらの問題点はエレベーター。。かなりの部分で壊れてました。いや、もしかして電源入れてないだけかもしれない。。ぐらいの勢いでしたが、メインフロアは誰でも無料で鑑賞できますし、とにかくテラスで頂くランチもエッフェル塔を眺めながら。。できますので、おすすめです。あの藤田嗣治の作品もおいてあります。基本的に1900年以降です。
ギュスターヴ・モロー美術館:階段上の孤高の美術館
ギュスターヴ・モロー美術館は一風変わった場所で、19世紀フランスの画家ギュスターヴ・モローの私邸を改装して作られた美術館です。山田五郎さんによるとほぼみうらじゅん。。。?
こちらには元私邸なのでエレベーターがなく、公式には車椅子でのアクセスが難しいとされています。主な展示スペースはフランス式の3階(日本の4階)にあり、狭い階段を上る必要があるため、歩行にある程度の自信がある方に限られます。しかし、歴史的な階段や美しい内装は一見の価値があります。おトイレも素敵です。アカデミーの会員だったのでアカデミーのエペもトイレ前に展示されてたり。。彼のオタクぶりがわかるお部屋が居心地いいのか悪いのか、不思議な世界です。
今回のお客様が杖を使って階段を上ることができたため、この場所も堪能していただけたことが、私にとっても嬉しいひとときでした。この広いアトリエの心地よさはずっとうずもれていたい気がしました。
レ・アール:サバイバルジャングル
レ・アールでの車椅子移動はもうほぼその日によって違う?サバイバルジャングルでした。その日に限ってエレベーターが故障していたり、アクセスしにくい場所にあったりと課題が多いエリアです。でもここが街の中心地なんですよね。(ここがもと中央市場、ポンピドーあたりは市場に来るトラックのパーキングだったとか)
お一人でジャングルを楽しむことも可能ですが、やはり一日目はエトワールサービスの付き添いを利用することをおすすめします。例えば、防犯対策のためにエレベーター一方通行しか運行しないなど、、いろんなトリックがかくされているので、レ・アールのお買い物対策は実は私も大変でした・・・
まとめ~~パリ美術館巡りのポイント
パリのメトロはほぼ階段のみで、車椅子には厳しい部分がありますが、美術館の多くはバリアフリー化が進んでいます。ですからいったんはいれば、大きな問題はありません。特にルーブル美術館ではたとえ50cmの段差でさえ車椅子用のエレベーターが完備されているため、安心して楽しむことができます。
しかしパリで一番注意しなければならないことは不条理な故障や不条理な理屈をつけられること。そのたびに無理でもこちらの意見を言い返すことや、安全を買う意味エトワールサービスはやはり車いす旅行の味方であるといつも思っています。
「1日だけアテンドお願いします」でも大丈夫です。
車いすのご旅行の際はどうぞお気軽にお声をおかけください。
今回お写真の掲載をご快諾くださりましたシュールリアリズムの大先生のSご夫妻ありがとうございました。