マルセイユのコルビュジエ Le corbusier, La cite Radieuse  

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シテ・ラデュース(輝く都市・Cité radieuse)ユニテ・ダビタシオン(「住居の統一体」と「住居の単位」Unité d’Habitation)はもっともマルセイユらしくないところです。

輝く都市に代表されるル・コルビュジエの都市計画案を、集合住宅として垂直方向に実現したともいえる建築作品と言う噂ですが、正直地味な場所にあり、交通の便もそこまでよくないので今まで前だけ素通りしておりましたが思い切って今回見学する機会に恵まれました。

コルビュジエのことなどはもう皆さんの方が詳しいしググっていただければいくらでも詳細は読めるので割愛しますが、簡単に、スイス生まれ、フランス国籍、1887年生まれ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」だそうです。

そんな彼が1947年に依頼された低所得者のための住宅がこれ。輝く都市。1952年に完成。ふつうに2000人が住める136mx56mの高さの大きな長方形の箱形の団地なのですが中のしかけがなかなかおもしろい。今は1600人の住民が住んでいるそうですが、とても静か。そしていちいち廊下に自転車も何も置いてない。ええ市営住宅なのに?!ゴミの分別のチラシも貼ってない。。

9階建ての建物なので、とにかく屋上テラスへ。「ミストラルがキツイので気をつけてください」の張り紙をみながら、外に出るとそこはコンクリートの遊び場。排煙やエレベーターの部屋なのでしょうか、タワーやあと子供のプール、あとアトリエがありました。(絵の具がおいてありました)

ここからの景色は海も山も素晴らしい。でもそれよりも、コルビュジエがデザインした屋上庭園の方がおもしろい。子供が塀を登って落ちるのを防ぐためか、塀は結構高いのですが、ところどころに中世の城の大砲口のように外をうかがえる窓がちゃんと開けてある。もちろん子供でも入れない狭さの縦長のガラスも何もない窓。その塀の高さが高いとはいえ、決して目隠しをしてるわけではなく、龍安寺や大徳寺大仙院方丈の庭のうしろにあるあの塀を思い出したのでした。

そしてまたそのコンクリートの優しいこと。コンクリートと言えば、私はいつも高瀬川沿いにあるTimesビル(安藤忠雄)を思い出すのですが、多分それは作られた世代が違うのでしょう。コンクリートの質が軟質でもろいような気がしました。

そしてアパートの中。典型的な家族四人タイプというのを見せていただいたのですが、ウナギの寝床がデュプレックス(メッザリーニと言います)になっており、キッチン+サロン部分と、違う階が3寝室ありました。部屋がL字型になっており、それが二つ合わさって、『 』ですね、ひとつの長方形を作っているしかけです。

作られた当時は冷蔵庫が各家庭になかったものですから、冷蔵庫置き場は考えられておらず、食料を冷やすための氷を各家庭に配っていたそうです。その氷入れが、今の日本で言う宅配箱みたいな形で各住居の入り口におおきくありました。

また当時低所得者のための住宅にかかわらず、(あの不潔で有名なフランスで!)4人家族の家に風呂桶のあるバスルームがひとつと子供用のシャワールームがひとつというデラックスなデフォルト!(この設定は当時のものらしいです)そして、すべての窓は二重窓で外の音が全然聞こえない。それももともとのオリジナル設計だったそうです。

中にはパン屋、コンビニ、カフェ、幼稚園、図書館もあり、昔からのコンセプト「街の中の街」として当時としては画期的に機能的にできていると思います。

彼がこの団地を造って20年もたたないうちに大阪万博があり、その大阪万博で2000年の世界はみんなチューブの中の自動車で移動してるのだろうと夢見たような夢の残骸を感じずにもいられません。いまでこそ、レトロフューチャリズムっぽく見られるのですが、当時の感覚ではどうだったのでしょうか。とても気になります。

コルビュジエを実際見るのは生まれて初めてで、非常に興奮してしまったのもあったのですが、これだけいちいち人に「おまえ感動しろよ」と訴える建築もなかなか疲れます。相性があるのかもしれませんが、見学は楽しかったです。

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また、コルビュジエが今の建築材を使ってたら何を作っていただろうと想像してしまいます。またバルサルリー(Vesarely)がMacを持っていたらどんな作品を作っただろうか?だって富田勲さんだって初音ミクですもんね。

是非ともマルセイユのおやまの観音様参り(Basilique Notre Dame de la Garde)の次は是非ともルコルビュジエがおすすめです。中のカフェ(ホテルのカフェなので結構開いてます)の白ワインがなかなか安い割に美味しかったのでまた印象良かったのでした。。

Cité radieuse “Le Corbusier” – Unité d’Habitation –
昔の呼び名は「ファダの家」 (1947)
280 Boulevard Michelet – Marseille 9区

見学は毎日9時-19時まで 9階の屋上とホテルとカフェのある階は自由に見学可能。
ただし、アパートメントの中を見学したい場合はホテルのレセプション兼レストランで見学希望の旨を伝えるとひとり5ユーロで建築好きの住民の家の中へ案内してくれます。(仏語)トロネ修道院も兼ねての見学などのお問い合わせはこちら

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