逃れることのできない『東京裁判』

このドラマのリアリティは11人の東京裁判の各国代表を各国の言語バックグラウンドをもった俳優がちゃんと話すという。それだけで正しい。NHKが作ってNETFLIXで流しているという珍しいドラマ。

もちろん基本英語劇だけど、オランダ人同士の会話はオランダ語で、オランダとドイツ人ならドイツ語になっている。ただ役者もそこまで有名な人はでてこないが皆さんとても役作りには熱心だし、判事らしい喋り方をする。

ドキュメンタリー風すぎてエンタメ要素ないですから。。そこがいいんだけど。

法律の解釈とはたとえ論理の訓練を嫌というほど勉強した裁判官でさえ、立場、宗教、自分の生きざまで変わるということに判事自らが自問してる姿ばかりですから。。

冒頭から「戦争中の兵士同士の殺人行為は罪には問われない、問われるのなら、一般人を殺した原子爆弾を落とした人の罪を問うべきだ、私はその国のトップの名前も知っている」という有名な米国人弁護人のセリフが流れ、勝利国が敗戦国市民に行った無差別殺人の残酷さを視聴者に見せつける。

つまり勝利国が落としたの2つの原爆と、敗戦国日本の東南アジア侵略行為の罪の重さが計れるのか?と聞いてくる。この質問の答えはまだ出てないだろう。

戦争という契約の中で行われるべき攻撃のはずなのに。

史実としての判事の入れ替え、マッカーサーとの関係、東京と米国、米国以外の連合国との関係も描かれ、途中でナポレオンの話になったときとかは、その受け止め方も各国により違うということを気づかせるいい内容だったともう。

第4話ぐらいになると、話を止めながら裏でwikiで戦犯の名前と経歴を調べて見なければついていけないぐらいになってきた。。。重光さんのびっこの原因は?なぜソ連が彼に重罰を求めてるのか?え?東郷さんの妻はドイツ人?森鴎外?東條さん、思ったより背が低いな・・・みたいな。。

フランス、オランダ、インドの判事の意見書は、この判決に対する意見ではなく、彼らの国が連合国に対するへの突っ張りのような対抗にしかみえない。でも意見書を書くことには歴史的に意味はある。

とドイツ人のピアニストも実在した人だったとは知らなかった。さすがNHKよく調べてるなぁと。(wikiには非日本語ページには表記あり)

欲をいうともっとパル判事(昨年亡くなってしまったイルファン・カーンが演じてる)に喋らせてあげてほしかった。彼の立場上インドは独立したてなので国ではなく気持ちイギリス国インド領の代表みたいな形で赴任しているので、やはり彼なりの立場もあったのだろう。そこがこの作品の上品さなのでしょうか。

ただこの製作はウヨにもサヨにも偏らないよう一生懸命作りました。な雰囲気が漂う。NHKやNetflix規定?をクリアしてるのかな。となればまた怪しい(笑)

改めて中立的に描こうとした努力をした映画として。永遠にありえない中立描写だけど。

戦争は誰が正しいもなにもない。当事者はみんな違いますから。そしてみんな間違っているし、みんな正しい。戦争は国際法に従って行われるもの。淡々と描く中に葛藤エッセンスの味付き。

さて、ドラマのはじまりかたが、、あの「高い城の男」とおなじレトロスペクティブ映像のはじまりをつげるような映写機のカタカタ動く音なのには笑ってしまった。。

https://youtu.be/uLKiuK0cTxk

Netflix 『Tokyo Trials 』
Mini Series : [usr 4.3 size=20]

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