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クローズド・バル街角の狙撃手と8人の標的

今日は久々おすすめのネットフリックス映画です。その名も『クローズド・バル街角の狙撃手と8人の標的』これも邦題がおかしい。原題は El BAR だけのあっさりなのに。狙撃手は顔も出ないし何も関係ない。ま、仕方ないです。邦題にはまどわされないで。監督はアレックス・デ・ラ・イグレシア。いっときの下妻物語的ななんかキッチュというかおもろい映画な匂いがぷんぷんします。

最初パッとスチール写真やマドリッド。。と聞くと街角バーの人間模様???という軽い気持ちで見てしまうのですが・・・

どっこい。

冒頭出てくるのはマドリッドの街角の風景。人々がスマホを耳にしながら喋りながら男女いろんな年齢さまざまな格好をしさまざまな人生から吸い込まれるようにバーに入ってくる。

待ち合わせで入ってくるもの、買い物帰りに入ってくるもの、、テアトルならこれで幕が開ける。そして濃いキャラが揃う。もう顔を見てるだけで過去がわかるような連中ばかり。

前半は無音状態がないぐらい人が喋る。まず自己紹介だ。とはいえ野暮ではない。セリフを切り取りキャラを確立していく。そして会話に忙しい頃、外で事件が起こり、え?意味わからない。路上で人が死んでる。

バーから出ていった人がいきなり路上で射殺され

そして彼を助けにバーから出ていった人まで殺されてしまう

あれ?何が起こったの?・観客も意味がわからない。そしてバーの中でみんなが揉めているうちに、外を見たらロックダウン状態。人いない?死体2体も消えている?おかしい。

何かがバーの外で起きた?

道路に出ると殺される。密室劇。

なぜ射殺されたか?不条理映画?もしかしてSF?もしかしてインセプションなの?と観客を惑わせます。スペイン映画ではデカプリオも渡辺謙もいない。なんか普通に街にいそうな美女やヒップスター、バーの従業員、近所の主婦、何故か紛れてるホームレス。。役者の演技力や顔力でそれはそれは親近感がある。ピストルは出てきても誰も扱いには慣れてはいない。スペイン人大好きなオリーブオイルもこういう使い方をするのか。。と笑わせてくれる。

そしてトイレから発見される咳をしていた男がすべての謎を明かす。。

そしていつの間にか舞台はバーの地下倉庫へ移り、地下倉庫のへ。倉庫からトンネルを下り下水道へ登場人物とカメラは動いていく。。。。

後半は地下水汚水ホラーになり、バーにいる人全員が次々バトル・ロワイアル状態で緊張が続きます。このありえない設定をしっかり必死で演じる役者さんたちのパッションがなんかフランス映画と違う。

これも今、パンデミック前後、自分のパンデミックへの知識も違うし、意識も違う。

パンデミック前なら無人のマドリードの街の風景が出てきたら「早朝撮影しはったんやろな」と思ってたところが、今は「隔離しなきゃいけないしあたりまえだわな」に変わってしまった自分の意識。

しかしスペイン人はみんな濃いなぁ。服装顔体格すべてに人生詰まってる。語らなくてももう語ってる。

ここまで「おもしろい」のは久々。ネットフリックスありがとう。ぜひともこの映画はパンデミックを経験している全人類にも見てほしい。大げさだけど。

(上の写真でなぜかアーチュー・ランボーさんがマスクしてるのはなぜ?)

NETFLIX 『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』
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スペインの鬼才が仕掛ける泥沼の密室劇『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』
https://spice.eplus.jp/articles/114577